| 黒岳(1987.5m) | 山梨県北東部/奥秩父地方東部の南方 |
| 川胡桃沢ノ頭(1965m) | |
| 牛奥ノ雁ガ腹摺山(1994m) |
私がこれらの山に登ったのは2002年の5月29日で、大菩薩嶺・小金沢山に比べればごく最近となります。この日は平日で、会社の出勤日でもありましたが、私生活でも会社でも、辛く苦しい思いをしていた私は、是非とも傷心を癒すような一日が欲しかったので、有給休暇を取って、「ひとり気楽にマイカーをころがして、ふらっと出かける」といった感覚で出かけました。
しかしこの、「ふらっと出かける」感覚が、後の山行計画を大きく狂わせる結果ともなりました。
自分では金峰山・国師ヶ岳のページで、さながら「マイカー登山の心得・林道編」みたいなことを偉そうに書き連ねておきながら、(このページは情報としては古いのですが、アップロードしたのは最近です。)この時は何の下調べも確認もせずに自宅を出発してしまったのです。カーナビに“現在地:自宅、目的地:大峠”と登録して。
いつもは夜明け前に自宅を出たり、前日の夜に出たりと、少々気合を入れたプランで行くのですが、今回は朝の6時過ぎに自宅を出て、ゆったりとした気分で山に向かいました。
中央高速道の大月インターチェンジを降りたあたりから、カーナビの示す方向にちょっと違和感を感じながらも、山に向かって走っていくと、どんどん道が細くなっていきます。やがて金山鉱泉に到着。さらに進むと「関係者以外の車両通行禁止」のゲートが!「はぁ?」とばかりに手元の地図をチェックすると、大峠への道と全然違う道を走っていたことに初めて気がつきました。
思えば私の使っているカーナビ、あまりへんぴな所まで誘導させると、てきとーな所で「目的地付近です」などと言って、誘導を途中で放棄してしまうようなところがあったのでした。今回の場合はそれが極端な形で表れ、大峠から直線距離にして比較的近い金山鉱泉まで誘導して止まってしまったのです。(完全な誤誘導!)
器械に騙されたような、持って行きようのない不快感を抱きながらも、再び大峠への最短コースを検討して走り始めました。
桑西方面への道へと出、北へと走り出しました。金山鉱泉への道よりずっと広く走りやすい道です。「これで大峠まで走れる。さて、雁ガ腹摺山登頂を先にするか、黒岳方面を先にするか。しかしちょっと雲が多めだなぁ。」などと思いながら走っていくと。行く手に太く黄色い棒が嫌な感じで横たわっています。到着してみると・・・(標高1000m弱付近)「この先林道工事のため通行止め・期間:4月26日〜8月24日」と。
・・・・・まったく。もう、帰ろうかとも思いましたが、高速代とガソリン代、有給休暇まで使ってここまで来たのですから、それもまた癪です。しばらく地図を眺めた挙げ句、甲州街道をダラダラ走って焼山沢林道に入り、湯ノ沢峠を目指すことにしました。雁ガ腹摺山はまたの機会ということにして。
焼山沢林道は標高1500m付近までは舗装された良い道ですが、そこからは未舗装のダートとなります。所々水を流すための溝が林道を横切っていますが、水路の蓋がなくなっているところがあるので、注意して走ります。
林道終点は駐車場となっていますが、平日だというのに、かなりの数の車が停まっていました。また、地図によれば林道終点は湯ノ沢峠なはずですが、峠という感じがする場所ではなく、案内板もありません。ただ、林道終点の先に細い歩道が伸びていて、そこが登山道でした。(また、林道終点の右手、谷側に「湯ノ沢峠避難小屋」があります。)
湯ノ沢峠駐車場から細い道を登っていくと、すぐに本当の湯ノ沢峠に到着します。(標高1652mと大きく書いてあります。)そこから左(北)へ向かいます。笹薮の中の道を登って行くと、やがて右手にガレ場を見ながらの登りとなります。一般にガレ場というと、角張った岩がザクザクと散らばっているような場所が多いのですが、ここは砂と丸みを帯びた大岩の多い、ちょっと変わったガレ場です。
登山地図を見ると、湯ノ沢峠からは、ほぼそのまま登って黒岳に到着しそうですが、実際には白谷丸という前衛峰があり、この白谷丸の手前にもまた小さな前衛峰が控えています。
また、白谷丸とその前衛峰との鞍部からは右(東)に踏跡が分かれていて(道標なし)、展望台になりそうな小さな峰に行くことができます。この日はあまり視界が利かなかったのですが、視界が利けば雁ガ腹摺山方面が広く眺められそうです。
登りついた白谷丸(推定標高1925m・山頂を示す標識なし)は南側の展望が優れていますが、北側の黒岳方面は樹林で展望が利きません。白谷丸を下った黒岳との鞍部は「山梨の樹林百選」の一つに指定されていて、ここからは展望ではなく深山の樹林を楽しむ山旅となります。そうして樹林の中を登っていくと、やがて黒岳(1987.5m)の山頂に到着します。
黒岳山頂はガイドブック等にも記されているとおり、展望は得られません。ですが、せっかくの山頂ですからゆっくりして、水分や栄養の補給などをして、記念写真なども撮りたいところです。しかし!ここでもひとつ誤算がありました。この時期(季節)は気温や日の長さから言えば最高の季節なのですが、ハエがうるさくてたまらないのです!(4〜5月の連休の時期は肌寒かったり、雪が残っていたりするわけですが、こうした点では良いかもしれません)のんびりしている気分にもなれず、10分ほど休憩して先へと向かいました。
山頂から北へ少し下ると右(東)に大峠・雁ガ腹摺山方面への道を分け、さらに少し下って樹林帯の中の稜線歩きが続きます。緩やかな上り下りを繰り返していると(一部岩場あり)、次第に笹薮の草原が広がってきますが、樹林はなかなか途切れることなく、展望はなかなか得られません。その樹林が途切れる頃、川胡桃沢ノ頭(かわくるみさわのあたま)に到着します。
山頂の展望は、今ひとつ中途半端な感じでもありますが、山頂はまばらに樹が立つ明るい草原で、なかなか気持ちの良い場所です。(それゆえ表題にも山名を挙げることとしました。)山頂には標識が2〜3あり、標高は1940mと書かれています。(少しうるさいことを言うと、この見晴らしの良い山頂は本当の山頂(最高点)ではなく、最高点から北に少し下った、山の地形で言うところの「肩」にあたります。なお、最高点(1965m)は樹林の中の稜線上で展望も標識もない、気付かずに通り過ぎてしまうような所です。)
川胡桃沢ノ頭を過ぎると、再び展望の利かない雑木林の中の下りとなります。(これまでと林相が少し変わります)稜線のはっきりしない山肌に屈曲して付けられている道は、少し判りづらい場合があるかもしれません。下り切ると、ぱっと視界が開け、牛奥ノ雁ガ腹摺山との鞍部に到着します。鞍部からは牛奥ノ雁ガ腹摺山が大きく眺められます。気持ちの良い草原を登って行き、いったん樹林帯に入って再び草原に出て登りつくと、牛奥ノ雁ガ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)山頂(1994m)に到着します。
山頂は広々としていて、南東から西にかけて広い展望が得られるようですが、私が訪れた時は曇っていて、あまり良い展望は得られませんでした。(40分以上もねばったのですが。それにしてもやはりハエがうるさかったです。)
帰り道は、来た道を湯ノ沢峠まで引き返しました。
湯ノ沢峠の駐車場に到着すると、避難小屋の中からこの山域を管理・パトロールしているという人が出てきて、林道の状況などを聞く事ができました。私が行こうとした大峠への林道は、去年の台風の大雨で100m程も崩落した場所があって、全く通れなくなっているとのことでした。私が「反対側からも大峠に行く道がありますよね。その道は?」と聞くと「全くダメ。行くだけ無駄ですよ。」とのこと。そして「この湯ノ沢の林道も夕立とか強い雨が降ると、すぐ崩れて通行できなくなるんですよ。1週間前もそれで通行止めになりました。今日もこれから雨が来そうですね。早く下りたほうがいいですよ。」とも。
やっぱり林道走行を含んだプランは、事前調査が必要なんだなあ、と再認識させられました。
湯ノ沢峠駐車場9:43発→黒岳10:45着、10:55発→川胡桃沢ノ頭(時間未記録)
→牛奥ノ雁ガ腹摺山11:58着、12:40発→黒岳13:27着、13:37発→駐車場14:20着